うつ病と似ている双極性障害の原因や治療法|遺伝子要素に環境要素

うつ病とは違う

双極性障害で現在までに分かっている事とは

双極性障害はうつの症状が出るので、うつ病と混合されることがありますが、実際は全く違う病気です。うつ病を経験する人は、日本では100人に5人前後というデータがあります。アメリカでは、100人に10人程度と、メディアで取り上げられることも多いです。それに対して、双極性障害は一生の内に症状を経験する人は、100人に1人と、うつ病よりも少ないのです。ただ、まれな病気ではありません。双極性障害と、うつ病の違いは様々あります。まず大きな違いが、発症する原因です。うつ病の場合は後天的なので環境が大きな原因となりますが、双極性障害の場合は先天的なので遺伝が大きく関係してきます。

現在は結果から考えられる原因を研究により証明しようという段階です。

双極性障害が発症するのはうつ病よりも若く、20代前半に多いです。うつ病の発症は中高年や女性に多いです。また、うつ病は男性よりも女性の方がなりやすいですが、双極性障害の場合は、男性と女性の差はほとんどありません。原因を解明することで病気を改善していけるので、それぞれの詳細について知っておくようにします。

うつ病と双極性障害を発症する原因は異なるので、治療法も異なります。うつ病の場合は、うつを改善することを目的として治療を行いますが、双極性障害の場合は、気分の振幅をなるべく抑えることを目的として治療を行います。うつ病では、抗うつ薬が処方されることが多いのですが、うつ病と双極性障害は原因が異なるので、双極性障害の人が抗うつ薬を服用してしまうと、病気が悪化することもあります。

双極性障害の原因は、未だはっきりとは解明されていませんが、 さまざまな研究により、考えられる原因はいくつか判明しています。 ただ、それを裏付けるために双極性障害を持つ方の解剖や人体実験などは倫理的にも行えず、マウスによる実験や統計を取って傾向を見る程度となっています。 双極性障害は表面的な症状は精神疾患なのですが、その原因は、ストレスによる精神的な物や心の病などではなく、身体の異常で、脳細胞内部や、遺伝子の配列などが関係しているという事が分かっています。 つまり、精神療法やカウンセリングなどだけでは、治療できないということです。 また、これは一時的な病ではないので長く付き合っていかなくてはならず、一度薬で良くなっても、また再発しやすい病なのです。 まず、遺伝子の配列が考えられる証明として、双極性障害の一卵性双生児と二卵生双生児との比較が行われました。 同じ遺伝子を持っていても双極性障害にどちらもなる訳ではなく、同じ配列の一卵性の場合はどちらもなる傾向がみられたそうです。 ただ、この結果は100%ではなかった為、遺伝子の組み合わせによって、なりやすくなると言える程度です。

双極性障害には、気分安定薬のリチウムやバルプロ酸など有効です。 そして、これら2つの薬の働きは、いずれも神経細胞の死滅を防ぎ、保護する役目があります。 そして、研究によると双極性障害の人は、細胞内のカルシウムの濃度が上がりやすいことが分かりました。 また、神経伝達物質の気分を安定させ安らぎを与えるセロトニンと人にやる気を起こさせるノルアドレナリン等のバランスの乱れがある事も分かっています。 これらに関係するのは脳の神経細胞における神経伝達物質のミトコンドリアの働きです。 ミトコンドリアは細胞内のカルシウムの濃度を細胞の外よりも低くコントロールしています。 そして、カルシウムは神経伝達物質が働いたときに信号を出す役割をしています。 マウスの実験では、ミトコンドリアの機能を障害し、観察すると、行動量が周期的に変化する躁鬱と同じ様な状態になりました。 双極性障害の人には気付かない程度の軽い脳梗塞が多い事も傾向としてあります。 これらをまとめますと、双極性障害は脳の神経細胞がダメージを受けやすく、細胞内のミトコンドリアの働きが弱いと考えられますが、その原因はまだ分かっていないということです。